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《甘み》
ブドウはもともと甘みを含みますが、発酵させる時にこの甘みをどれだけ残すかによって、完成するワインのスタイルが大きく変わります。たとえばフランスのソーテルやハンガリーのトカイといった甘口ワインは、とても強い甘みを魅力としています。とはいえ、これらがおいしく感じられるのは、甘みがくどくならないように酸やミネラルなど他の要素がしっかり支えているから。甘みと旨みは密接な関係にありますが、一方で辛口ワインが料理と合わせやすく口をキリリと引き締めるように、ワインの場合は特にさまざまな味の要素が混じり合って旨みを形成するといえます。また、甘みが強いワインにはとろみがあり、蜜やオイルのような舌触りになることも特徴です。
《渋み》
ワインの渋みのもとは、ブドウの皮・茎・種に含まれるタンニンという成分。そのため、皮や茎を漬けて発酵させる赤ワインには多少の渋みが含まれます。そして、その渋みが適度であれば味わいに幅が出て、迫力あるワインに仕上がるのです。渋みは基本的に、ブドウの実が小粒であるほど多くの皮が漬けられて豊かになりますが、浸漬時間の具合でも調整できます。一方、皮や種と一緒に発酵しない白ワインでも発酵や熟成に木樽を使用すると、樽の内壁からワインへと木の渋みが伝わります。そしてパワフルな白ワインの場合、この渋みは赤ワイン同様に、味わいの幅を広げる要素となります。
《酸》
ワインに含まれる酸には、ブドウに含まれている酸と、発酵によって生まれた酸があります。その主成分はブドウに含まれる酒石酸とリンゴ酸で、ワインの印象を大きく変えています。そんな酸はワインの骨格を定める大きな役割を果たしているため、ソムリエの多くが、味わい構成の中でも極めて重要視するほど。ちなみに、酒石酸は温度変化などでカリウムと結合するとキラキラ光る結晶になりますが、その輝きにより時には「ワインのダイヤモンド」と呼ばれたりもします。
《ヴォリューム》
ヴォリュームは「味の幅」という言葉でも表現されますが、さまざまな味わいが複雑に混じり、全体のバランスがとれていながらも力強い…その力強さを示します。ヴォリューム感はアルコール分と密接な関係にあり、アルコール分の高いワインには、豊かなヴォリュームを感じることができます。そんなワインは飲み応えがあり、記憶に残りやすいもの。しかし、そのヴォリュームの方向性によっては、飲み続けると疲れを感じることもあるようです。
《ミネラル》
ワインの味わいに輪郭や骨格があるとして、それらをくっきりと浮かび上がらせるものがミネラルです。普通の煮沸水とミネラルウォーターを飲み比べると、ミネラルウォーターのほうが口中でかすかな残存感をみせますが、それがミネラルなのです。鉱物的なニュアンスのミネラルは、ワインの深みのみならず、フレッシュ感も際立たせてくれます。フランスのシャブリという白ワインは「石灰質土壌で育てられたブドウが大地から吸い上げたミネラルが大きな特徴」とされていますが、今やこのミネラルの豊かさは、どのワインでも注目すべきポイントとなっています。
《果実味》
ブドウという果実からできた飲み物なら、果実味は100%...と思われるかもしれませんが、ワインにはさまざまな味の要素が散りばめられているので、果実味もその要素のひとつにすぎません。つまり、果実味だけで完成されたワインというものは存在しないのです。それでも、果実味が非常に豊かなワインは世界各地でつくられていて、どれも「チャーミングなワイン」と表現されます。まるで新鮮な果物をジャムにしたような凝縮感が、果実味の高さの証。若いワインでは生き生きとした果実味が感じられ、熟成を重ねると穏やかに全体のトーンへと溶け込んでいきます。
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